初心者向け(じゃないかもしれない)模型撮影講座
実践編 その2


さて、2回目はクルシマのアスカ・冬私服版

今回は最も一般的・普通と思われる方法で。私が多用している人工灯(蛍光灯)の多灯ライティングをやってみます。


(1)トップライト(真上から

天井にぶら下がっている円環型の蛍光灯(ナショナルパルック)を点け、そのほぼ真下にキットを置きました。


で、この段階ではご覧の通り。顔などには光が当たっていなくて真っ暗ですが、まずはOKです。この段階で狙っているのは、セーターのモールドを出すこと。モールドの上側が明るく、下側が暗くなって、ちゃんと凸状に見えていれば十分です。


(2)メインライト(フロントライト)追加

キット正面を明るくするために、正面やや右側にライト追加です。このライトが全体の明るさ・雰囲気を決定します。


はい、ちゃんと明るくなりました。上からの光と正面からの光の比率を考え、メインライトと被写体との距離を決定しましょう。

この段階で最も注意すべきことは「前髪の影」です。今回は明るい表情を捉えたいので、前髪の影が顔に落ちるのは避けたいです。(場合によっては意図的に顔を暗くすることもありますが・・・。)また、セーターのモールドについても、あまり真っ正面から光を当てると凸凹感が無くなってしまいます。だからといって真横から当てると今度は顔の右側と左側で明暗差が大きくなりすぎます。このライトの位置取りが、今回の撮影の成否を決めるキモ。大いに試行錯誤しましょう。


(3)ディフューザー追加


(2)の写真を見てください。鼻の左側にハッキリした影が出来ています。白のセーターも、ちょっと光が当たりすぎと感じられます。まず、影の輪郭をぼやかす為にディフューザーをかけました。

今回は柔らかい雰囲気を出すため、光源とトレペの位置を離し気味です。適当な棒の先にセロテープでトレペをぶら下げ、光の状態を見ながら光源との距離を変えてみて、良いと思われた位置でライトのカサに留めました。


(4)レフ板追加

陰影についてはOKですが、やはり顔の左側をもう少し明るくしたいです。太ももの明暗差もまだちょっと大きい感じ。丸みはよくわかりますが、影が濃すぎて少し硬質感があるかな?レフ板を追加しました。


いい感じですね。顔の左側&脚の左側ともに光が回り込みました。十分、柔らかさが感じられるようになったと思います。


(5)鏡を追加


(4)の段階で十分OKだと思いますが、オマケで下側から鏡で光を反射させ、顔をもう1ランク明るくしてみました。

う〜ん、この鏡は微妙なところです。やらなくても良かったかも。顔がぱあっと明るい感じになった反面、セーターのモールドなどは見えにくくなった感じです。


(6)画像処理


最後にPhotoshopで補正、こんな感じに仕上がりました。
・トーンカーブで少しだけコントラストを下げ、ほっぺ・太もも付近を落ち着かせる
・赤を少なくする方向で、色補正
・微かに彩度UP
・解像度変更・シャープネス処理
これぐらいです。前回のコトブキヤのベルと比べて、補正の割合はものすごく少ないです。全く補正無しの(5)の段階でも十分に見れる写真になっていると思います。やらなくても良かったかも。


前回の日光をメイン光源にした撮影と比べて、やはりこちらに分があると感じました。光の自由度が高いです。もちろん「慣れている」ということもあるのですが・・・。