はじめてのすくらっち
その5


2003/08/20


さて、と。
原型が出来たのでレジンキャストに置き換えます。「まえふり」でさらっと書いてますが、複製はやったことあります。ちょっとだけですが。まぁ私なんぞより経験豊富な方はたーくさんおられますし、Web上に情報幾らでもありますので、具体的な工程などはそちらを参考にして下さい。


こんな風にアンダーゲート方式でレイアウトして粘土に埋めてシリコン流し。もちろん反対側も。んで一度テストで抜いてみて、気泡がたまるとこなどにちょっと手を加え・・・


こんな感じです。湯口の設け方とか参考になるかなぁと思い、上の2枚は大きい画像も載せてあります。

少ない経験上ではありますが、今まで学習したことを一応書いておくと・・・
・型の「設計」をとにかく練ること。レジンが流れる(空気が逃げる)道筋をよーく考えて、「行き止まり」が出来ないように。大概の場合パーツを斜めにレイアウトする(上写真参照)のは有効。レジンがパーツの頂点から流入し、パーツの頂点から出るように。角度を考えてレイアウトしておけば、無駄な湯口をつくる必要がなくなります。
・粘土埋めする前に、パーティングラインをどこにつくるか決めておくこと。複雑なモールドがない場所で、抜くときシリコンに負担のかからない場所。基本的にはパーツの一番出っ張っている所、外周部をなだらかに繋ぐライン。
・粘土埋めに時間をかけること。とにかく丁寧に、急がずに。
・シリコンは一気に全部流さないこと。最初はパーツがかろうじて隠れるぐらいだけ流し、エアーブラシの風圧や振動で気泡を除去します。パーツに直接触れる薄皮一枚のシリコンの気泡を、とにかく、許された作業時間(普通は10〜20分程度でしょうか)いっぱいを使って、取り除きます。流動性がなくなってきて「やべ〜硬化始まっちまう〜」というくらいになったら残りのシリコンをドバッと投入。こちらは多少気泡入ろうが問題なし。古いシリコンチップを混ぜてカサを増やすのも有効。数百ccのシリコンの気泡全てを相手にしてたらキリがないし、そもそも手作業では不可能なので、とにかく「表面の気泡を重点的に消す。あとは無視」これがミソかと。
・複製以前に「抜きやすいパーツをつくる」「表面を綺麗にしておく」こと。これは当然。言うまでもなし(いや実は難しいんですけどね〜)。

上記きちんとやっておけば、キャスト流しの際に何の工夫もせず常圧手流しで、表面に気泡なんか殆ど出来ません。今回のも然り。(右足親指一カ所だけ気泡出ちゃいました。ここはちょっと失敗。)型のつくりはまだまだ素人くさいですけど、一発でこれぐらい抜けていれば、合格点はもらえるかな?と思います。


2003/08/23

上のシリコン型、実はパーツが1コ足りません。そう、髪の毛(後頭部)。「複製以前に抜きやすいパーツをつくる」なんて偉そうに書いてるわりに、どうにも算段が立たず、結局複製で無理することに。

で、結果から言うとなんともなりませんでした(泣)。


はじめからヤバイとわかりきってたので、別型にしてあれやこれやトライアル。「人力遠心脱法」やって筋肉痛になってみたりとか、空気逃げを切りまくってみたりとか、ちょびっとだけ注入し型を傾けてみたりとか、いろいろ。でも先端部の気泡全て取り除くことはできませんでした。がっくり。
今回は自分で埋めればいいだけの話なので問題無しですが、「売る」ことを前提にするのなら、やっぱり、もっといろいろ考えてつくらなくちゃですね・・・勉強になるなぁ。

あ、え〜と・・・、ちょっと期待されてる方おられるみたいなので書いておきますが、今回のラッカ、イベント等で販売することはありません。いろいろ考えたんですが、やっぱりそういうクオリティではないです、残念ながら。「売り物」つくるにはまだ腕が足りない。商品として恥ずかしくない物ができるまで、申し訳ないですがお待ち下さい。その時がきたら改修でも何でもして出しますから。ほんとすみません。


2003/09/02

我ながら不思議というか何というか、レジンに置き換えた途端、ものすごくクールに、第三者の目で造形を捉えられるようになって驚きました。つい先日まで「どうよ?どうなのよ?」とか言ってたのが嘘のよう。そのあまりの心境というか見る目の変化に、自分で自分を笑ってしまいました。
今後、白いマテリアルで造形したり、白サフで表面処理した方が良いかもしれないです。「白い表面」に慣れすぎている。フィニッシャーやってる時間が長すぎたかもしれません・・・

さてところで、そもそも売ること考えてないのに何故複製したかというと・・・
ひとつは塗装をし易くする為。レジンならいつも通りの工程でいけますし。ふたつめは複製の経験値を上げる為。今後の為といいますか。

そしてみっつめ。これ。


目を閉じた表情。これがやりたかったんですよ〜!
実は初日(2003/03/23)から、私の脳内イメージはこれでした。ですが、目をちゃんとつくらないと経験にならないとも思ったので、どうしようかな〜と。そもそも「閉じた目」どういう風に造形したもんか見当つかなかったし。「目や口は、位置取りのためにとりあえずつけましたが、変更の可能性大」って書いてある通り。なので、複製して1コはそのまま、2コ目は瞬着盛って表情変えてみました。恐るおそるやってみた結果、我ながら良い感じ。Good!コンパチ仕様で決定と相成りました。

ってことで最終仕上げ。表面処理して色塗り。いつも通りなので省略。
んで・・・
で・き・た〜〜〜!


ギャラリーにページをつくり、大画像UPしましたのでそちらをご覧下さい。


さて、と。
「はじめてのすくらっち」これにて終了。
途中お休み期間がありましたから実質2ヶ月半、とてもとても楽しかったです。何もかもが初めてで先が見えなくて、でもだからこそ「徐々にかたちが見えてくる」のが嬉しくて、ある意味初心に帰れたような気がします。フィニッシャーとしてのスキルアップにも大いに繋がったと思います。
ですが・・・
どうも私、造形の魅力(魔力?)に憑かれてしまった様子・・・
これからスガワラはどうなっていくのでしょうか・・・
原型師を目指すのかなぁ・・・
まだわかりません。

ともあれ、ここまで長いこと読んで下さった方々、ありがとうございました!